「失われた30年」という時代認識の中で企業に押し寄せる様々な課題の解決が中間管理職に求められ、正に「管理職受難の時代」の様相を呈しています。当該ステップアップセミナーの統一テーマであるITやクラウドの活用のみならず、近年企業が取り入れた1on1やMBO、360度評価、人的資本主義の情報開示などへの対応においても、それらを円滑に運営する責任が悉く管理職に押し付けられ、管理職だけが孤軍奮闘している構図が浮かび上がってきます。 近年では「管理職への昇進は割に合わない罰ゲームか!?」といった論調も聞かれるようになり、若手が管理職になりたがらない結果、組織運営が機能不全に陥る恐れすら出てきました。 この苦境に多くの管理職は長時間労働および気合いと根性で立ち向かっていますが、彼ら・彼女ら自身の過労死も懸念される状況に立ち至っています。また管理職向けの研修やトレーニングは山のように提供されていますが、管理職自体の負荷を軽減する方向での取り組みは、寡聞にしてほとんど聞いたことがありません。筆者はこの状況を、管理職を上下から挟み込む経営陣と部下、双方に起因する様々な要因の複合汚染の結果と認識しています。 本講演ではまず、このような複合汚染の構造の因数分解を試み、管理職そのものではなく、彼ら・彼女らを過労死に追い込みかねない経営陣や部下の認識と行動に問題を提起し、打開の方向性を模索します。 ※クラウドサービス推進機構(CSPA)では、中小企業の皆様の業務に役に立つセミナーを「CSPA 中小企業ステップアップセミナー」として毎月開催しています。 主 催:一般社団法人 クラウドサービス推進機構(CSPA) 【講師プロフィール】 栗山 敏(クリヤマ サトシ)氏 ビジネス・ブレークスルー大学大学院 経営管理専攻(MBA)准教授 経営学博士、キャリアコンサルタント、中小企業診断士(休眠中)、元・ITコーディネータ 1982年、日本IBM入社。約30年、顧客担当営業やコンサルタント、エグゼクティブセミナー講師(IBM天城セミナー)などを歴任し、2014年から大学教員に転身。現在は人生100年時代の三毛作目として大学教員と個人事業主のハイブリッドで活動中。個人事業主としては営業職向けの人材育成コンサルティングを専門とするが、関連して企業全体の人材マネジメントや管理職のあり方にも問題意識を持ち、様々な情報を発信中。